相続コラム
2025/12/10

不動産と遺留分侵害額請求

相続では、不動産が絡むと一気に話が複雑になります。
特に近年ご相談が増えているのが、「不動産が遺産の大部分を占めるケースにおける遺留分侵害額請求」です。

「父の相続で、兄が自宅不動産をすべて相続した。私はほとんど何ももらえない。遺留分は請求できるのか?」
「母から『自宅は長男に相続させる』と書かれた遺言書が出てきた。私は現金で遺留分を払ってもらえるのか?」
こうしたご相談は、滋賀県でも非常に多いテーマです。

本記事では、不動産と遺留分侵害額請求の関係について、弁護士がわかりやすく解説します。

1 遺留分侵害額請求とは?

遺留分とは、一定の相続人(子・配偶者・直系尊属)が最低限受け取ることができる「保障された取り分」のことです。

遺言によって「全財産を長男に相続させる」といった内容が書かれていても、他の相続人は法律上の最低限の取り分(遺留分)を請求できます。それが 「遺留分侵害額請求」 です。

2019年の民法改正により、遺留分は“現物の返還”ではなく、“金銭請求”が原則となりました。
そのため、不動産が遺産の中心であっても、実物を取り戻すのではなく 「現金で」 支払ってもらう仕組みです。

2 不動産が遺産の中心だと、遺留分が問題化しやすい理由

不動産が相続財産の大部分を占めるケースは、日本では非常に多いです。
滋賀県でも、「自宅不動産+わずかな預金」という構成が一般的です。

この場合、例えば遺言で「自宅を長男に相続させる」と指定されると、次の問題が生じます。

(1)不動産は分けられない

自宅は物理的に分割できません。
長男が不動産を取得すると、他の相続人に渡せる財産がほとんど残らないケースが頻発します。

(2)遺留分はお金で支払う必要がある

不動産をもらった相続人は、他の相続人に遺留分相当額を 現金で 支払う義務があります。

しかし、

現金の手持ちが足りない

不動産を処分しないと払えない

ローンを組まないと支払えない

といった状況に陥ることが多く、トラブルの温床になります。

3 遺留分の計算において、不動産はどのように評価されるか

遺留分侵害額請求で最も重要なのが、不動産の評価額 です。

評価方法にはいくつかありますが、実務では次のように扱われます。

(1)不動産の時価が基本

不動産は、

実勢価格(売買で実際に動く価格)

不動産会社の査定

路線価・固定資産税評価額の補正

などを参考に、最も合理的といえる“時価”を採用します。

具体的には、複数の不動産業者に査定を依頼し、その平均値を取ることが多いです。

(2)相続人間で評価が争われるケースが多い

不動産を取得した相続人は「評価額を低くしたい」と考えがちです。
逆に遺留分を請求する側は「評価額を高くしたい」と考えます。

ここが大きな対立ポイントです。

弁護士が介入し、適切な評価資料を集めることで、公平な金額に落ち着くケースが多くあります。

4 遺留分侵害額はいつの時点で計算する?

法律上、遺留分の計算基礎になるのは 相続開始時(被相続人が亡くなった時点)の価値 です。

しかし、不動産の正確な時価を死亡時点で把握することは難しいため、通常は「相続開始時の時価を推計」します。

ポイントは次のとおりです。

遺留分侵害額請求は「金銭債権」

評価は相続開始時

支払われるのは請求後の時点

もし話が長引けば、遅延損害金も発生します。

5 不動産の遺贈(または相続指定)があるときの典型トラブル

ミカン法律事務所が扱う案件でも、次のような争点がよく出ます。

(1)不動産をもらった相続人が遺留分の支払い能力がない

自宅に住んでいる相続人が、「遺留分を払えない」と主張するケースは多いです。

支払いの方法としては、

自宅を担保にして借入する

一部を売却して現金を捻出する

分割で支払う(話し合い次第)

などが考えられますが、感情的対立が激しいと交渉が難航します。

(2)不動産を評価する方法をめぐって争いになる

例:

不動産取得者:「固定資産税評価額で計算すべきだ」

請求者:「実勢価格で計算すべきだ」

実勢価格と固定資産税評価額では、2倍以上差が出ることも珍しくありません。

(3)相続人間の関係が悪化し、協議が進まない

遺留分侵害額請求は調停・訴訟に発展するケースも多くあります。

早い段階で弁護士が介入すると、資料収集や交渉がスムーズに進みやすく、時間や費用の節約につながります。

6 遺留分侵害額請求の期限に注意!

遺留分侵害額請求には期限があります。

●知った時から1年

(遺留分が侵害されていること、そして相手方を知った時)

●相続開始から10年

この期間を過ぎると、遺留分を請求する権利は消滅します。

不動産の評価には時間がかかることも多いので、早めに専門家へ相談することが重要です。

7 まとめ:不動産が絡む遺留分問題は、早期相談が鍵

不動産が遺産に含まれる相続では、遺留分侵害額請求が起こりやすく、金額も大きくなりがちです。

不動産評価

遺言の有効性

遺留分侵害額の算定

交渉・調停・訴訟の対応

これらを適切に進めるためには、専門的な知識と実務経験が不可欠です。

ミカン法律事務所では、不動産相続に詳しい弁護士が、相談段階から丁寧にサポートし、最適な解決を目指します。

「不動産の相続で揉めそう」
「遺留分を請求したいが、いくら請求できるのかわからない」
「遺言で不動産を一人に相続させると書かれている」

このようなお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

 

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