相続コラム
2026/11/03

相続放棄の期限の3か月が迫っているとき、まずは確認したいこと

相続放棄のご相談に際しては、「親が亡くなった後に借金の請求が届いた」、「財産を調べているうちに時間が過ぎてしまった」、といった話がよく聞かれます。

遺産相続においては、何を受け継ぐのかだけでなく、いつまでに判断するのかということもまた極めて重要です。

以下では、相続放棄を検討するときの期限と、調査が間に合わない場合の対応について整理していきます。

●「亡くなった日から3か月」とは限りません

相続放棄の申述期間は、原則として、自分のために相続が始まったことを知った時から3か月です。

死亡日だけで一義的に判断せず、亡くなったことや自分が相続人になったことを、いつ、どのように知ったかを整理することが大切です。

第三者から届いた通知の日付や封筒の消印、親族からの連絡(通話やメール、SNSなど)に関する記録も、日付が分かる形で残しておくとご相談の際の助けとなります。

●親族に「財産はいらない」と伝えるだけでは足りません

相続放棄には家庭裁判所への申述が必要です。

親族間において遺産を受け取らないと約束することと、家庭裁判所で相続放棄をすることは全く区別して考える必要があります。

よく、相続人間で遺産を受け取らないことにしたことをもって「相続放棄をした」と表現される方がおられますが、遺産分割協議において遺産を受け取らないこととしたことと、家庭裁判所に相続放棄の申述をすることとは、法的には全く別個の行為です。

なお、申述する先は、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

●調査が終わらないときは、期間の伸長を検討します

財産や負債を調べても判断材料がそろわない場合には、家庭裁判所に「熟慮期間の伸長」を申し立てる方法があります。

自動的に延びることはありません。

原則として相続を知った時から3か月以内に申立てが必要となるため、期限が迫っている場合は、調査と並行して対応を検討しましょう。

●相談前に整理しておきたい資料

まずは、相続人の死亡や相続を知った経緯のメモ、親族関係が分かる資料、借入れ等の通知、預貯金や不動産に関する資料を、手元にある範囲でまとめてください。分からない項目は「不明」のままで構いません。

戸籍などの必要書類は続柄によって異なっており、裁判所の案内では、申述前に入手できない戸籍等を後から追加提出できる場合も示されています。書類が全部そろうまで相談を待たないことが大切です。

●迷ったら、期限の確認から

相続放棄は財産も負債も受け継がないという選択です。

遺産を受け取ってしまってからでは原則として相続放棄はできなくなってしまいます。

期限や手続に不安がある方は、まずはお早めに弁護士へご相談ください。

 

※本記事は一般的な制度に関するご説明です。具体的な期限や対応は、個別の事情を確認して判断する必要があります。

 

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